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改正個人情報保護法が施行 「防犯カメラと個人情報について」

4 -【ケーススタディ】防犯カメラ設置と事業者の責務

以下は、防犯カメラや生態認証システムを設置・運用する際に、事業者の責務として講ずべき措置をケーススタディとして例示します。

Case-1 防犯目的のために「防犯カメラ」を利用する場合
カメラ画像を取得してこれを防犯目的のみに使用し、顔認証データは取り扱わない、従来型の防犯カメラの場合には、「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」(法第21条 第4項 第4号)に該当することから、利用目的の通知・公表は不要と考えられますが、最新のガイドライン(令和4年4月)では、この場合でも防犯カメラが作動中であることの掲示をする等の措置が望ましいとされています。
Case-2 防犯カメラを設置し「顔認証データ」を防犯目的で利用する場合
個人情報保護法では、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」(法21条)と定められています。
この場合、個人情報の利用目的をあらかじめ公表するか、または個人情報の取得後、本人へ通知または公表する必要があります。
具体的には、防犯カメラが作動中であることを掲示する等、防犯カメラにより自らの個人情報が取得されていることを本人が容易に認識できる措置を講ずる必要があります。さらに、利用目的や問い合わせ先を防犯カメラの設置場所に明示、またはそれらを掲載したホームページURL、QRコードを示すなどが考えられます。
Case-3 カメラ画像から抽出した性別や年齢の「属性情報」を利用する場合
抽出元の本人を判別可能なカメラ画像(スナップショット=顔情報)や個人識別符号等で本人を識別できる情報と容易に照合をできる場合を除き、属性情報だけでは個人情報には該当しません。
また、人物を全身のシルエットに置き換えて作成した移動軌跡データ(人流データ)も同様に、本人を識別できる情報と容易に照合できる場合を除き、個人情報に該当しません。
Case-4 カメラ映像から「顔情報」を取得し、来訪者へおすすめ商品を知らせるためにパーソナライズされた広告を配信する電子掲示板を設置する場合
顔情報は、個人識別符号に該当する個人情報に該当します。この場合、取得した顔画像(スナップショット=顔情報)を直ちに破棄したとしても当該顔画像について特定の個人を識別した上で、広告配信を行っていると解釈されます。よって、顔画像から抽出した属性情報に基づいて広告配信が行われることを通知・公表するとともに、利用目的の範囲内で顔画像を利用しなくてはなりません。

いずれのケーススタディで共通することは、カメラで取得した顔情報は個人情報であり、設置事業者はデータの安全管理措置はもちろんのこと、取得対象となる本人が予測・想定できるよう利用目的を特定し、通知・公表する責務が伴います。

5 - まとめ

ここまで、改正個人情報保護法における事業者の責務を確認するとともに、特に個人識別符号となる防犯カメラの顔情報をはじめとする生体認証データがどのように位置づけられているかを検証してきました。
まとめとして、個人データを情報管理する上で、「安全管理措置」のために事業者が取り組むべき義務を示します。

「安全管理措置」のステップ ~ 事業者が取組むべき義務
1 - 基本方針の策定 プライバシーポリシー、個人情報取扱方針を策定し、ホームページなどで公表する。
2 - 規律の整備 社内規定を作る。
※中小規模事業者の軽減措置あり。
3 - 組織的安全管理措置 社内に組織を作る。

例:責任者を置く、規律に従った運用をする、取扱い状況を把握する(台帳等で管理)、万が一の際の対応を決めておく、取扱いの見直しPDCAサイクルを回す。

4 - 人的安全管理措置 従業者の教育をする。

例:年一度程度の教育機会を設ける。新任者への教育を行う。

5 - 物理的安全管理措置 個人データを保管、運用する区域を適切に管理する。

例:アクセスコントロール等で区域を管理する、のぞき見されないよう管理する。データ廃棄方法を管理する。

6 - 技術的安全管理措置 個人データを扱うコンピュータを管理する。

例:アクセス制御をする。ID/PWによるアクセス者識別の認証。外部侵入の防止、および情報漏えい防止の対策を行う。

個人情報を取扱う事業者へは、これら「安全管理措置」に加え、「従業者に対する監督」、「委託先への監督」、「正確性の確保」が義務付けられています。これらについても、組織の規則整備と運用を行い、チェックと改善サイクルを回していく必要があります。

当社では、個人情報ならびに防犯カメラに関するアンケート調査を実施いたしました。
調査レポートを公開しておりますので、こちらも併せてご一読ください。

「改正個人情報保護法」アンケート調査レポート ダウンロードはこちら

おわりに

近年、コロナ禍で非接触・非対面でのサービスが加速。無人店舗の入店・決済、イベント入場の顔パスなど、生体情報を用いたサービスが次々と生み出され、私たちの生活はより便利になっています。また、メタバースと言われる仮想空間でも、ログイン情報に紐づく個人情報によって、ショッピングやエンタメ体験も試されています。
個人情報保護法は時代に合わせた改正が行われ、その内容は定期的に見直されています。
私たちは生活者として、または事業者として個人情報を安全かつ安心して利活用できる社会を築きたいと考えます。


編集:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム マーケティング担当(2022年5月12日)

<参考資料・出典>
個人情報保護委員会ホームページより
「委員会について」、「広報お知らせ」、「個人情報保護等」開示資料より

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