ホーム > ソリューション > 空間・音響ソリューション > KooNe (クーネ) > Interview Think Labワークスペースの開発者 井上 一鷹 氏

Interview
世界一集中できるワークスペース Think Lab

開発者
井上 一鷹 氏

眼鏡を通じて、
人々の生活をもっと豊かに。

Think Lab 井上 一鷹 氏
JINSの前は研究所みたいなところにいらっしゃたんですか?

井上氏私はアーサー・D・リトルという戦略コンサルティングファームに5年ほど勤務した後、JINSに入社して今年で7年になります。入社当初からJINS MEMEという商品を担当していて、その研究の中から生まれたのがThink Labでした。

JINS MEMEは世界初の三点式眼電位センサーを搭載した眼鏡型デバイスですね。

井上氏普通のメガネに見えますが、かけている人の目の動きや瞬き、さらに姿勢などを数値化してスマホにデータとして送る、いわゆるIoTデバイスとかウェアラブル端末とか言われているもので、人の心やカラダの状態を可視化するデバイスです。

JINSが従来扱っていた“眼鏡”とは全く異なるジャンルのものですね。

井上氏普通の眼鏡、いわゆる視力矯正用の眼鏡以外の可能性を模索する中で生まれたもので、レーシック手術が普及したり、近視の進行を抑える目薬が登 場したりという状況を受け、眼鏡から視力矯正という機能がなくなっても、また別の新しい価値が提供できるのではないか、と考えたのがそもそもの始まりです。

「眼鏡はパンツの次に
着けている時間が長い」

JINS
“眼鏡”というカタチに、新しい価値を付加する、ということですね。

井上氏東北大の川島隆太先生に眼鏡の強みは何かとお聞きした際、『眼鏡はパンツの次に着けている時間が長い』と、即座に返答されました。これは私たちメーカーには気付きにくいことで、確かに眼鏡利用者のほとんどは1日中眼鏡をかけ、外すのは寝る時だけ。眼鏡はそれほど長い時間、人の身に着けられるアイテムで、しかも、頭部の近く、目という重要な部位の近くに付けるものなのです。

コンタクトレンズ利用者も家では眼鏡という方がほとんどですものね。

井上氏人は目を見て他人の心理状態や生理状態を判断したりもします。興味を示しているなとか、怒っているなとか。こうしたことから目の近くで、目の動きを追っていけば完全にその人の1日の状態が見えるのではないか?そうしたことからJINS MEMEのプロジェクトはスタートしたのです。

“目の近くで、目の動きを追う”ことに“眼鏡”というカタチは最適だった?

井上氏そうなんです。たとえば認知症の老人は目の動きが遅く、身体の重心バランスが若干後にあるらしいのですが、そのことを誰もデータにしていませんでした。JINSの専門である“眼鏡”というカタチを使ってそうしたアタマの活動量を測ったり、カラダの様々なデータがとれれば、認知症や寝たきりを減らすための『先制医療』に役立つ、という考えがJINS MEMEというデバイスになりました。

「世界で一番集中できる場所」
を作れる

Think Lab
JINS MEMEは経済産業省の「HR-Solution Contest」グランプリを受賞するなど、働き方改革の有効なソリューションとして大きな反響を生みました。

井上氏JINS MEMEはまだ育ち始めですので、健康意識が高かったり、ITトレンドに敏感だったりする一握りの人々にまず受け入れられ、そこから徐々に広がっています。そうした一握りの人々に“刺さった”のが『集中』という観点です。人は集中すると1/6くらいに瞬きが減り、アルペンスキーヤーは2分くらいの間、1度も瞬きをしないというデータもありました。

『集中』がキーワードになってきたのですね。

井上氏没頭すると瞬きは減る一方、リラックスすると瞬きは安定します。集中が必要なエンジニアやプロゲーマー、職人さんなどからデータを集めてみたところ、“集中”と“リラックス”がandでつながっている状態が最もパフォーマンスが高い状態であるということも判ってきました。

そうした研究がThink Labにつながっていくわけですね。

井上氏何かを生むためには物差しが必要で、物差しが無いと人は進化できないものですが、JINS MEMEという物差しで『集中』を測ってきたJINSこそ「集中できる環境」を作れる。働き方改革というテーマで言えば「世界で一番集中できるワークスペース」を作るための元々のデータをJINSは持っているのではないか、と気づいのです。

現在のオフィスは、
情報が氾濫しているコックピット

Think Lab
現在のオフィス環境では高い集中は得られないという思いもあった?

井上氏Think Lab監修の石川善樹氏によれば、現在のオフィスは人工物が多く、情報が氾濫しているコックピットの様だ、とも言われます。注意力を奪われながら仕事をしている様なそんな状況を、まず自然な環境に戻してあげるのが第一フェイズ。“五感”で言えば視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の順で取得する情報量が多いことから、『集中』への影響度も同じ順で高くなることも判ってきました。

“五感”に良い影響を与えることが大切ということですね。

井上氏環境づくりに落とし込む際、たとえば“視覚”は仕事でも使い過ぎていますのでノイジーにならぬ様、植物を置いて緑視率を上げることでストレスを低減する効果が生まれます。“嗅覚”は意識を変えるためのスイッチでもあり、100%天然のアロマが有効でした。

KooNeもそうした要素のひとつということですね。

井上氏好きな音楽を聴いている時と無音とでどちらが『集中』出来るかというと、半々。これを自然音と無音とで比べた場合、自然音の方が『集中』出来るという結果が出ました。自然音はホワイトノイズ成分が多く、人のDNAレベルでも『集中』に効果があることが判ったのです。

KooNeを体感したときの感想は
「マジか?」

Think Lab
そもそもKooNeを知ったきっかけは?

井上氏JINS MEMEの講演に参加されたKooNeの担当者から是非にと請われ、ビクターエンタテインメント本社で最高のプレゼンデモを受けました。KooNeを体感したときの感想は“マジか?”(笑)。会話もしやすいし、話の内容そのものに集中できる。環境音がノイズとしてあることが気持ちいい、とも感じ、感性として腑に落ちるというか、理解できる、と思いました。

そうした経緯から田中仁CEOにも体験いただき、採用を頂いたわけですね。

井上氏音は光のような指向性がなく、環境全体を包み込むことができるのですが、KooNeは反響音までをインテグレーションしているので“どこにでも仕込める”という自由度が高く、Think Labのコンセプトにもとても合っていました。 “効果がある”、“効果が認められている”という、導入事例からの信頼感もありました。

Think Labの今後についてお聞かせください。

井上氏Think Labは“脱オフィス”の一つの答えだと思っていますので、今後は更に多くの皆さんに体験して頂きたいと考えています。ここの様な店舗型のワーキングスペースはもちろん、様々な企業でオフィス環境が見直されるなど、『働き方改革』の有効な手段として広がっていくことに期待しています。

井上一鷹氏

株式会社ジンズ
JINS MEME事業統括リーダー
井上 一鷹 氏

大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。2017年11月「集中力パフォーマンスを300倍にする働き方」を執筆。

2019年5月取材
※記載の法人・団体名・組織名・所属・肩書きなどは、すべて取材時点でのものです。

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