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物流倉庫業務の改善方法とは?課題把握と改善ポイントについて解説!

物流倉庫業務の改善方法とは

目次

  1. 1 - 物流倉庫内業務の現状
  2. 2 - 物流倉庫業務の課題
  3. コストがかかる
  4. ヒューマンエラーが多い
  5. 3M(ムリ・ムダ・ムラ)が多い
  6. 作業の効率化
  7. 3 - 物流倉庫業務の改善ポイントと方法
  8. 人件費の見直しによるコスト削減
  9. 整理整頓とマニュアル化によるヒューマンエラーの削減
  10. 適材適所への人員配置による3Mの排除
  11. 倉庫内レイアウト見直しによる作業効率の向上
  12. システム化による作業効率化
  13. 4 - 物流倉庫業務の改善にはシステムを導入すると効率的!

1 - 物流倉庫内業務の現状

近年のEC市場の成長は著しく、令和4年の国内BtoC-EC市場規模は前年比9.9%増の22.7兆円にまで拡大しています。そのためEC業界を支える物流業界も、市場拡大に合わせて物流倉庫内業務の効率化が必要です。しかし現状では、機械化やシステム化による自動化が進んだ他業界に比べると、まだまだ人が作業をする分野が多い業界だといえます。

BtoC-EC市場規模の経年推移
出典:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査」

また、倉庫内業務の人材不足を補うためにも、効率化は不可欠です。帝国データバンクによる調べでは、正社員の人手不足割合の上位10業種に「運輸・倉庫」が入っています。その割合は、2022年7月では59.4%、2023年7月では64.3%となっており、年々上昇している結果となっています。
そこで、IT技術などを導入して倉庫内業務の自動化や管理業務を効率化するのが業務改善への大きな一歩だといえます。
もちろん、IT技術を使ったサービスなどを導入するためにはコストが掛かったり、これまでのフローを大きく変更するための期間と工数が掛かったりします。しかし、今後訪れる物流の「2024年問題」への対策を考える上でも、現在さまざまな業界が取り組みを行っているDX化(物流DX)が不可欠です。

2 - 物流倉庫業務の課題

物流倉庫業務の課題

物流倉庫業務の改善に必要なことは、現状の課題をしっかりと把握することです。ここでは、一般的な課題をみていきましょう。

コストがかかる

物流には、モノを必要な人の元へ届けるために多くのコストが掛かっています。
たとえば、輸送費や運送費、倉庫や設備の賃料、モノを運ぶためのトラックや商品管理、これら全てに関わる人件費などが挙げられます。もちろん、倉庫内の光熱費や保管費など細かなコストも考慮しなければなりません。
このような全般的なコストの内訳はわかりにくく、気づけばコストが膨れ上がっていたということもあります。そのため、どのようなことに多くのコストがかかっているのか、今削減できるコストはどの分野なのかを見極め、コスト削減を実現させることが課題解決の一つだといえます。

ヒューマンエラーが多い

物流業界では、機械化やデジタル化が思うように進んでいない部分が多くあります。そのため、人の手で行われている物流倉庫内業務が多く、ヒューマンエラーが起こる確率も高くなっています。
たとえば、ラベルの読み間違いによる商品の仕分けミス、それに連鎖する形でピッキングミスが起こり、誤出荷が起こるなどといったことも珍しくありません。
このようなヒューマンエラーは、大きなクレームにつながる可能性が高いミスで、重要な課題として認識しなければならないものです。

3M(ムリ・ムダ・ムラ)が多い

物流改善では3M(ムリ・ムダ・ムラ)という言葉がよく使われます。この3Mをなくすことが重要です。
3Mは大まかに以下のように定義されています。

ムリ:業務において、従業員にはそれぞれに得意・不得意な分野や、現在有するスキルがあるが、それ以上の能力が必要な業務を“ムリ”に行わせる
ムダ:従業員の持つ能力に対して作業の負荷が軽く、ムダな時間ができるなど余った時間で過剰な生産をしてしまうことも。
過剰な仕入れによるムダな在庫管理なども挙げられる
ムラ:“ムリ”と“ムダ”が混在することで、作業時間や成果が安定せずにバラツキが生じ、業務全体に“ムラ”が出る

これらの3Mは、物流業務の効率を低下させる課題だといえます。

作業の効率化

物流業務では、作業効率を向上させることは大きな課題の一つです。作業効率向上は、物流におけるさまざまな業務フローの中で改善できる可能性があります。
たとえば、物流倉庫業務であれば、商品の保管方法や管理方法はもちろん、従業員が行き来する導線や通路幅なども作業効率に大きく影響する要素です。また、物流倉庫内が複雑なため、新人従業員など「ロケーションを把握できていない人」なども、物流倉庫業務の作業効率が悪くなる原因だといえます。つまり、物流倉庫のロケーション管理も大きな課題の一つです。

物流業界全体の課題を把握したいという方は、こちらもあわせてご覧ください。
2024年問題とは?物流業界への影響や解決すべき課題と対策を解説

3 - 物流倉庫業務の改善ポイントと方法

物流倉庫業務の改善ポイントと方法

ここまで見てきた課題を踏まえ、物流倉庫業務の改善ポイントとその方法をみていきましょう。

人件費の見直しによるコスト削減

人件費は、従業員数だけではなく、各従業員の労働時間が長くなる(時間外労働時間が長い)ことにも比例します。
物流倉庫に勤務する従業員の業務が効率化すれば、労働時間が短縮されて人件費の削減につながります。そのため、コスト削減のポイントは業務効率化だといえます。
従業員が効率的に業務を行うには、荷物の出荷量に合わせた人数の配置や、従業員が臨機応変に物流倉庫業務に対応できる環境作りをすることが大切です。これにより効率的な物流倉庫での作業が可能になり、コスト削減が実現します。

整理整頓とマニュアル化によるヒューマンエラーの削減

ピッキングや仕分け作業など、物流倉庫業務内でのヒューマンエラーを減らすポイントは、整理整頓とマニュアル化です。
たとえば、整理整頓をすることで、何がどこにあるのかを確認する一瞬の迷いや探す手間を削減できるため、大幅に作業効率が上がり、業務効率が改善します。また、作業をマニュアル化しておくことで、次の作業に対する迷いがなくなりますし、新しい従業員のヒューマンエラー防止にもつながります。
さらに、ピッキングや仕分けをするときに、クロスチェックを行うルールなどを設けることで、さらに物流倉庫業務でのヒューマンエラーを削減することが可能です。

適材適所への人員配置による3Mの排除

3Mが起こる原因には、人材の見極めができていないことや、在庫管理が徹底されていないことなどが多く見られます。3Mを排除するには、人材の能力やスキルを見極めて従業員を適材適所に配置することや、徹底した在庫管理をすることが有効です。
たとえば、システムを導入してその日に入庫する荷物の量を正確に把握し、従業員の過不足がないように配置します。また、物流倉庫業務での作業内容も正確に把握して、その作業が得意な従業員を配置します。

倉庫内レイアウト見直しによる作業効率の向上

物流倉庫内のレイアウトは、作業効率を向上する上で非常に重要です。
レイアウトは作業動線を考え、効率の良い動きができるように設計されていなければなりません。何がどの場所にあるのか、どの商品をどこに置くのかなどが、理にかなった設計になっていると作業がしやすくなります。
たとえば、物流倉庫内ではエリアをしっかりと区切り、検品前と検品後の商品がわかるようにすることで、トラブルを減らすことにもつながります。動線となる物流倉庫内の通路の幅についても、フォークリフトと従業員が衝突の危険がないように行き交うことができるよう配慮すれば、安全性も確保できます。
このように物流倉庫内のレイアウトを見直して、見取り図などを従業員が確認しやすいようにしておくことも有効です。

システム化による作業効率化

物流倉庫業務の改善は、各作業を効率化することで実現されます。それぞれの作業がしやすいように、またミスが起こりにくいような工夫をすることが重要です。
そこで有効なのが、システム化への取り組みです。ITサービスやシステムを導入することで、物流倉庫業務のさまざまな工程が効率化できます。
たとえば、コスト削減のための労働時間管理や、荷物の量に合わせた人数配置の管理もシステムで行えば、的確なリソース管理が可能です。
また、荷物のバーコードを読み取ってデータが取得できるシステムを導入すれば、人が情報を入力するよりもミスが削減できる上、処理速度も向上します。物流倉庫内に保管されている荷物もデータで管理できるので、過不足のない適正な在庫管理で、品質管理やコスト管理を含めた倉庫内作業の大幅な効率化が可能です。
このように、あらゆる面をITサービスでシステム化することが、物流倉庫業務の改善を大きく助けることになります。

4 - 物流倉庫業務の改善にはシステムを導入すると効率的!

物流業務にはさまざまな課題があります。これら課題を解決していくことで、物流倉庫業務の改善も進めていかなければなりません。多くの課題を一気に解決することは難しいかもしれませんが、最も迅速で正確な業務改善はITサービスで各業務をシステム化することだと考えます。物流業界全体がシステムによって制御されることで、物流倉庫業務の効率化が進みます。
当社では、倉庫内のフォークリフトを安全稼働させる「フォークリフト安全運転検知システム」やトラックの入構チェックを自動化する「車両ナンバー認証システム」など、物流倉庫業務の改善に関わるシステムやサービスを提供しています。物流倉庫の業務改善をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。


編集:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム マーケティング担当(2023年11月16日)

<参考資料・出典>
経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査」公表資料
株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)」

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