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フォークリフトは安全対策が必須!事故の原因と対策について紹介

フォークリフトの安全対策について

物流倉庫内などで利用されるフォークリフトは、モノを運ぶ上でなくてはならない産業車両です。しかし、予期せぬ事故や安全性を欠いた使い方、非熟練オペレーターによる作業により、死亡事故などにつながる特殊車両でもあります。そのため、フォークリフトを使うには安全対策を徹底しなければなりません。本記事では、フォークリフトでよく起こる事故やその原因、取り組むべき安全対策について解説します。

目次

  1. 1 - フォークリフトの作業内容と安全対策が必要な理由
  2. 2 - フォークリフトでよくある事故
  3. 3 - フォークリフトで起こる事故の原因
  4. フォークリフトの操作ミス
  5. 荷物の積み方が危険
  6. 安全確認をしていない
  7. フォークリフトの作業範囲内に作業員が入る
  8. フォークリフトの点検・整備不足
  9. 4 - フォークリフトでの具体的な安全対策
  10. 指差し確認や呼称確認をする
  11. 乗り方や積み方の安全性を徹底する
  12. フォークリフト用の経路への侵入を防ぐ
  13. 安全教育を徹底する
  14. IT技術を導入する
  15. 5 - フォークリフトの安全対策にはIT技術の導入も検討しよう

1 - フォークリフトの作業内容と安全対策が必要な理由

フォークリフトは、倉庫や工場などでパレットや荷物を持ち上げて運ぶ作業に使う産業車両です。重い荷物や大量の荷物を運ぶ際に、フォークリフトを利用すれば作業効率がアップします。また、フォークリフトを利用することで、人の力だけでは運べない荷物を簡単に移動することが可能です。
このようにフォークリフトは非常に便利な車両ですが、安全対策を怠ると荷物の損壊や作業員の怪我、死亡事故につながるケースがあります。特に、これから訪れる2024年問題は、フォークリフトオペレーターの安全性に大きく影響するものです。

フォークリフトの作業内容と安全対策が必要な理由
出典:厚生労働省労働災害統計

2024年にはトラックドライバーの労働時間が制限されますが、物流業界では現在、トラックドライバー本来の業務には含まれないフォークリフト作業への依存が高い実態があります。つまり、フォークリフト作業にも労働時間を割いているということです。トラックドライバーの労働時間を減らすためには、フォークリフトオペレーターの確保が必要です。
人材を増やして荷役作業の時間短縮を行うために、女性や高齢者、外国人といった非熟練オペレーターを増やすケースもあります。
手軽に運転できるように見えるフォークリフトですが、自動車と同じように細心の注意を払い、安全を確認してルールを守った利用が必須です。非熟練オペレーターが増える背景から、これまで以上にフォークリフトに対する安全対策の重要性が高まります。

2 - フォークリフトでよくある事故

フォークリフトでよくある事故
出典:陸上貨物運送事業労働災害防止協会「フォークリフトによる災害発生の特徴と問題点」

事故の内容には以下のようなものが挙げられます。

作業員が挟まれる事故
フォークリフトによる作業に慣れてしまい、安全確認を怠るようになったり、漫然運転のようになったりしたときに起こりやすい事故です。
フォークリフトのマストやヘッドガードに挟んだり、近くにいる作業員をフォークリフトで挟んだりしてしまうなどといったケースがあります。
転落事故や墜落事故
運転者が高所から転落するケースが多く見られます。また、フォークリフトごと転落や墜落してしまう場合もあります。
フォークリフトの衝突事故
フォークリフトの作業経路に作業員が立ち入った際に、フォークリフトと衝突して轢かれるなどの事故です。
また、倉庫内の広い場所でも、積荷が高く視界が悪いために、近くにいた作業員にフォークリフトで突っ込んでしまうなどのケースも見られます。
フォークリフトの転倒事故
フォークリフトが横転してしまい、運転者が投げ出されたり、運転者や近くにいた作業員が転倒したフォークリフトの下敷きになってしまったりする事故です。
フォークリフトの転倒は少なくありません。たとえば、速度を上げて走行しているとき、急にハンドルを切ってバランスを崩すなどといったケースもあります。

3 - フォークリフトで起こる事故の原因

フォークリフトに関わる事故はなぜ起こるのでしょうか。一般的に起こりやすい事故の原因についてみていきましょう。

フォークリフトの操作ミス

自動車やバイクなどと同じように、フォークリフトも操作ミス(運転ミス)で事故が起こります。
アクセルとブレーキの踏み間違い、ハンドルやレバーの操作ミスなどは、フォークリフトでも起こり得ます。
また、前方不注意や急発進、急ブレーキや漫然運転など、フォークリフトの操作ミスは自動車と同じように大事故につながります。

荷物の積み方が危険

荷物を積む際には、重量や数などのバランスを考える必要があります。しかし、どのような荷物がどのような順番で出し入れされるかはわかりません。
効率的な作業を重視するあまり、重い荷物を一気に持ち上げるなどした場合にフォークリフトがバランスを崩して転倒することもあります。
また、荷物がパレットに収まりきれていなかったり、不安定な積み方をされていたりすると、荷崩れの原因になります。

安全確認をしていない

安全確認は日常的に行わなければなりません。しかし、「いつもの場所で、いつもの操作や作業ならば大丈夫」という過信から、安全確認を怠ってしまいがちです。
安全確認を怠ると、予想外の事故につながります。指差呼称や前後左右の確認、シートベルトの装着など、自動車を運転する際と同じように、毎回安全確認をすることは必須です。

フォークリフトの作業範囲内に作業員が入る

フォークリフトが作業をする場所に、作業員が立ち入ってしまうことも事故の原因になります。
フォークリフトの作業範囲には人が立ち入らないように、ルールを徹底しておかなければなりません。また、フォークリフトと作業員の作業範囲が重なる場合や、見通しが悪く狭い場所などでは、運転手以外に誘導者をつけるなど、明確なルールを作り厳守しなければ大きな事故につながる可能性が高まります。

フォークリフトの点検・整備不足

安全確認やルールの厳守などを徹底していても、フォークリフト自体の点検や整備不足は事故の原因になります。
たとえば、ハンドルやブレーキが故障していたり、荷役装置や走行装置に不具合があったりすれば大きな事故につながります。
フォークリフトを使う前には、点検および整備を怠ってはいけません。

4 - フォークリフトでの具体的な安全対策

フォークリフトでの具体的な安全対策

フォークリフトでの事故を防ぐためには安全対策を怠らないようにしなければなりません。具体的な安全対策についてみていきましょう。

指差し確認や呼称確認をする

フォークリフトに乗り込む前には、確認を怠らないようにします。指差し確認や呼称確認をすることは、フォークリフトの不備などを見つける可能性を高め、安全に対する意識を高めることにもつながります。フォークリフトや現場、毎日の作業に慣れても、確認を習慣付けることで事故を防ぐことが可能です。

乗り方や積み方の安全性を徹底する

フォークリフト自体の安全を確認したら、乗り方や積み方の安全確認も行います。ちょっとした作業でも、フォークリフトからの乗り降りをしっかりと行うことが重要です。荷物を効率的に運ぶことは大切ですが、重量のあるものや複数の荷物を一気に運んだり、危険な積み方をしたりすることは避けなければなりません。

フォークリフト用の経路への侵入を防ぐ

フォークリフトと作業員の通路を分けて、フォークリフト用の経路へ人を侵入させないことが事故の防止につながります。
この場合は、フォークリフトの経路がひと目でわかるように、テープを貼るなどの工夫をして、人はフォークリフトの経路に立ち入らないようにルールを徹底します。また、狭い作業場所や視界の悪い場所では、作業をしていることがわかるようにランプなどの目印を設置するといった対策が有効です。

安全教育を徹底する

フォークリフトを利用する作業員および倉庫内作業者に対して、安全教育を徹底する必要があります。
たとえば、フォークリフトを運転する際には、危険予知トレーニングを欠かさないようにします。自動車と同じように「だろう運転」は危険です。荷物の積み方や重さ、固定などのチェックも「慣れ」で疎かにしないことが大切です。
また、フォークリフトの一時停止など、安全運転のチェックや記録を作業員にフィードバックすることで、作業員が自身の安全意識を振り返ることに役立ちます。
このように、常に危機感を持つための教育が大切です。

IT技術を導入する

個人ができる安全確認や、安全対策のためのルール作りと、それを徹底することは基本的な対策です。さらに、IT技術を活用して取得したデータを統計化すれば、安全対策や指導に役立てられます。
フォークリフトの安全対策においては、センサーやカメラを活用して人やモノを検知することで、フォークリフトと人の接触防止といった検知システムが普及しています。また、昨今では走行速度制御・発進制限などの運転支援、自動運転技術の進歩により、検知技術と車両制御を連携させて更なる安全性向上に取り組んでいるケースもあります。
たとえば、フォークリフトの走行がルールに則って行われているかを検知するシステムを導入すると、フォークリフトの一時停止違反を検知したらリアルタイムにパトライトを鳴動したり、映像記録ができます。
システムを導入することで安全に対する意識を高められ、蓄積されたデータを使って安全対策や指導を行うことで、事故を未然に防げる可能性が高くなります。
システムについては、フォークリフト安全運転検知システムもあわせてご覧ください。

5 - フォークリフトの安全対策にはIT技術の導入も検討しよう

フォークリフトは倉庫や工場などで活躍する産業車両ですが、扱いを間違えると大きな事故につながります。フォークリフトを利用する際は、安全確認や車両の整備を怠ってはなりません。また、一般的な事故原因を把握しておくことも安全への意識を高めるきっかけになります。フォークリフトによる事故をなくすために、具体的な安全対策も取り入れて徹底してください。
当社では、倉庫内のフォークリフトを安全稼働させる「フォークリフト安全運転検知システム」など、物流施設の安全対策に関わるシステムやサービスを提供しています。「フォークリフト安全運転検知システム」では、画像解析技術でフォークリフトの一時停止違反を検知し、リアルタイムにパトライトで通知することで、接触事故を未然に防止します。物流倉庫の安全対策強化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。


編集:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム マーケティング担当(2023年11月16日)

<参考資料・出典>
厚生労働省「労働災害統計」
陸上貨物運送事業労働災害防止協会「フォークリフトによる災害発生の特徴と問題点」

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