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アルコールチェックの義務化に向けて・アルコール検知器体験レポート

アルコールチェックの義務化に向けて・アルコール検知器体験レポート

道路交通法の改正により、2022年4月より安全運転管理者による運転者の運転前後のアルコールチェックが「義務化」されました。 対象となるのは、自動車5台以上または乗車定員11名以上の自動車1台以上所有する事業者。対象事業者は白ナンバー事業者約34万社/管理下ドライバー約800万人となります。 さらに昨年10月にはアルコール検知器の使用・保持・記録・保存の義務化を予定していましたが、半導体・電子部品や製品供給不足により、当面の間延期となりました。ただ現在(2023年2月時点)は供給も安定してきたことから、改めてアルコール検知器を使用したアルコールチェックの法制化が検討されています。 本レポートでは、フリーライターの益田氏が実際にアルコール検知器を使用し、事業者でのアルコールチェックにおいてどういった運用を行えるか、使用感などをレポートいただきました。

目次

  1. 1 - 電気化学式ガスセンサー搭載アルコール検知器「CAX-AD300」の紹介
  2. 2 - スマートフォンアプリと連携し10秒で測定完了
  3. 道路交通法改正後の管理方式に沿って体験
  4. 準備は検知器本体、スマホアプリ、PC管理ソフトだけ
  5. スマホと検知器の簡単操作で測定・記録はラクラク
  6. 3 - 測定結果は自動送信、管理者は素早く確認可能
  7. 4 - 体験を終えて
  8. 5 - おわりに

1 - 電気化学式ガスセンサー搭載アルコール検知器「CAX-AD300」の紹介

ケンウッド製 電気化学式ガスセンサー搭載アルコール検知器 CAX-AD300
<ケンウッド製 電気化学式ガスセンサー搭載アルコール検知器 CAX-AD300>

今回レポートするのはケンウッド製の電気化学式ガスセンサー搭載アルコール検知器「CAX-AD300」。こちらの商品はアルコール検知器に携わる国内唯一の業界団体「アルコール検知器協議会」の認定品だ。 この製品の特長としては高精度・高品質な日本製センサーを搭載している点と日本生産なので、その精度は折り紙付き。微量のアルコールでも検出が可能だ。また、企業では1日に何回も測定を行うことがあるため、部品の寿命などが気になるが、アルコール分を検知するセンサーの寿命は1年または10,000回と長期使用が可能なので、日々の業務用として安心して使用することができそうだ。 この製品を使用して測定結果を管理する際には、本体の他、専用のスマートフォンアプリとPC管理ソフトが必要となる。アルコール測定結果のデータがスマートフォンから管理ソフトに送られることで、測定結果を一元管理できるのはとても便利だ。また、事業所によっては管理者と使用者が別の場所にいる場合があったり、早朝、深夜など勤務時間が異なる場合もあるが、スマートフォンで測定中の写真撮影を行い測定の証拠とすることで、なりすましを防いだり、結果が自動で送られることによるデータの改ざん防止など、信頼性・確実性の高い管理が可能となっている。

2 - スマートフォンアプリと接続し10秒で測定終了

道路交通法改正後の管理方式に沿って体験

道路交通法改正後は『安全運転管理者』が『運転者』に対して、『運転前』と『運転後』に『酒気帯びの有無』を『目視』または、『アルコール検知器』を用いて確認・記録・保存することになります。

今回のレポートでは、「点呼記録簿」への記録を行うことを想定し、以下の内容を実施する。
・非対面でも運転者を特定する:測定者IDを使用
・データ取得、管理を行う:PC管理ソフトを使用
・素早く測定結果を確認、なりすまし防止:スマートフォン連携を使用


準備は検知器本体、スマートフォンアプリ、PC管理ソフトだけ

検知器本体

まず準備にあたって必要になるのは以下の項目だ。

① アルコール検知器本体
測定対象者の識別をするために「測定者ID」の登録を行う。これによって誰が測定を行ったのか識別を行うことができる。
② PC管理ソフト
初期設定時に測定者IDを登録することで対象者の一元管理ができる。「メール受信」操作を行うことで各対象者の測定結果を受信するので、素早い取り込みと管理も可能。
③ スマートフォンアプリ
初期設定時にPC管理ソフトへ送信するためのアドレスなど必要な情報を設定。これにより面倒な手順なく自動的に測定結果が管理者に送られるようになる。

スマートフォンと検知器の簡単操作で測定・記録はラクラク

運転前後に安全運転管理者が運転者に対して実施する点呼のイメージに沿って使用した。

スマートフォンと検知器の簡単操作で測定・記録
1.アルコール検知器を起動しモード・IDを選択
アルコール検知器の上部を動かし、ストローを取り付けて息を吹きかけられる状態にする。本体を起動すると、液晶画面にモードの選択画面が出てくるので、今回は「モード2」を選択。次に測定者ID選択で自分のIDを選択する。
2.スマートフォンアプリを立ち上げBluetooth接続
スマートフォンにインストールしたアプリを起動し、Bluetoothの接続が可能な状態にしておく。(その際、自分の位置情報の設定を事前に許可しておく必要がある。)
アプリ画面の下の方に「接続」というボタンがあり、ボタンを押すとアルコール検知器とのBluetooth接続情報がポップアップで表示されるので、それをタップして接続。
3.測定、測定写真撮影

アルコール検知器とスマートフォンがBluetoothでつながると、検知器に「3」→「2」→「1」というカウントダウンが表示される。「Go」で、ストローから4秒間息を一気に吹き込む。

歯磨きや喫煙後など、測定に注意が必要な場合があります。測定時のFAQはこちらをご覧ください。
アルコール検知器 CAX-AD300 FAQ(よくあるご質問)

検知器の使用
4.測定結果をメール自動送信

測定結果はスマートフォンと検知器の画面に表示され、測定終了時にスマートフォンのカメラで測定中の顔写真が撮影される。また測定結果は、測定終了後に顔写真とともにPC管理ソフト(管理用のメールアドレス)へ自動で送られる。

スマートフォンに測定結果
5.測定結果をPC管理ソフトに取り込み 測定結果表示、記録・保存管理

PC管理ソフトで「メール受信」をクリックすると、送られてきたデータが取り込まれて管理画面に一覧として表示される。データには測定時の顔写真も添付されているので、測定者IDと合わせて本人かどうかも同時に確認できる。もちろん、アルコールが検知された場合も管理画面で確認できる。

PC管理ソフト
6.遠隔地点呼に対応
対面で点呼の場合はその場で顔を確認。遠隔地の場合は直接確認できなくても、写真で本人の顔が確認出来るとともに、アルコール検知の情報などがまとめてPCの管理画面に取り込まれ記録されるので安心だ。

3 - 測定結果は自動送信、管理者は素早く確認可能

スマーフォンアプリの立ち上げは至ってスムーズ。片手に検知器、片手にスマートフォンという状態になり両手がふさがってしまう状態にはなるが、測定時間は全ての工程を行っても10秒程度で終了するので、それほど不自由は感じない。もし手に他のものを持っているのであれば、それらを一旦置いておくための、ちょっとした台があれば大丈夫だろう。 遠隔点呼においても、測定後に測定者IDと測定結果、顔写真が素早く管理者に送られることにより、なりすましや改ざんを防げる点も安心である。 PC管理ソフトでは一覧でデータを管理できるので、現場ですぐに測定結果をチェックできる点、また本人の状態の顔写真も確認できるので、何か問題があれば一目でわかる点もこのソフトの良いところである。

アルコール検知器本体とパッケージ

4 - 体験を終えて

勤務前の忙しい時間でも、スマートフォンと検知器のみで測定が完了するのはとても便利に感じた。遠隔地での点呼も顔写真を確認することで、管理者がわざわざ出向かずに点呼が完了となるので、業務効率化や工数削減につながる。また管理も台帳への転記の手間が無いことはもちろんだが、検査結果を一覧で確認できること、また飲酒を検知した際にはアラートで確認できるのはとても良い。今後、アルコール検知器が広く普及して、飲酒運転の悲しい事故が無くなることに期待したい。(フリーライター 益田典彦)

5 - おわりに

アルコール検知器を使用したアルコールチェックを行うことにより、従業員の『安心・安全な運転業務遂行と運行管理』と企業の『法令・社会的コンプライアンス遵守』『信用・イメージを守る』ことが期待できます。 事業所でのチェック体制を整え運用していくことは負担となりますが、コンプライアンスの遵守、企業としての責任を果たしていくことはとても重要です。事業者は警察庁などの情報をもとに安全運転管理者の業務の見直しや、チェックリストの作成などに取り組むことが求められるといえるでしょう。

アルコール検知器本体とパッケージ

●Bluetooth®とそのロゴマークは、Bluetooth SIG, Incの登録商標です。 ●その他の商標および名称はそれぞれの所有者に帰属します。 ●写真は実機と異なる場合があります。


編集:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム マーケティング担当(2023年3月30日)

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