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公共施設への防犯カメラ導入を解説 選び方から運用について

公共施設への防犯カメラ導入を解説 選び方から運用について

公共施設は、地域住民の生活に不可欠な役割を担っており、その安全性と利便性の確保は極めて重要です。近年、様々な社会情勢の変化に伴い、公共施設における防犯カメラの設置ニーズはますます高まっています。本記事では、公共施設の管理担当者様が防犯カメラシステムを導入・運用する際に押さえておくべきポイントについて網羅的に解説します。

目次

  1. 1 - 公共施設における防犯カメラの重要性
  2. 犯罪抑止効果と安全・安心感の向上
  3. 事件・事故発生時の証拠確保
  4. 施設管理の効率化と職員の負担軽減
  5. 2 - 公共施設への防犯カメラ導入の種類と特徴
  6. 街頭や屋外施設向けの防犯カメラ
  7. 庁舎や公民館など屋内施設向けの防犯カメラ
  8. 3 - 公共施設向け防犯カメラの選び方のポイント
  9. 設置場所の環境に適した性能か
  10. 撮影範囲と画質は目的に合致しているか
  11. 録画時間と保存容量は十分か
  12. 夜間や逆光に強い機能はあるか
  13. 耐久性は確保されているか
  14. 4 - 公共施設への防犯カメラ導入・運用の流れ
  15. 設置場所と必要台数の調査・検討
  16. 機種選定と比較検討
  17. 設置工事と設定作業
  18. 運用テストと関係者への周知
  19. 定期的なメンテナンスと記録媒体の管理
  20. 5 - まとめ

1 - 公共施設における防犯カメラの重要性

公共施設に防犯カメラを設置することは、単に犯罪を記録するだけでなく、多様な効果をもたらし、施設の安全運営に不可欠な要素となっています。利用者が安心して施設を利用できる環境を整備し、万が一の事態にも適切に対応できる体制を構築するために、その重要性はますます高まっています。

犯罪抑止効果と安全・安心感の向上

防犯カメラの存在は、犯罪を企む者にとって大きな抑止力となります。「見られている」という意識が働くことで、不審な行動や犯罪行為を未然に防ぐ効果が期待できます。
また、防犯カメラが設置されていることで、施設利用者や職員は「安全が確保されている」と感じ、安心して施設を利用したり、業務に集中したりすることができます。特に、子どもや高齢者など、配慮が必要な人々が多く利用する施設においては、この安心感の提供は非常に重要です。

事件・事故発生時の証拠確保

万が一、施設内で犯罪や事故が発生した場合、防犯カメラの映像は客観的な証拠として極めて有効です。警察の捜査協力はもちろんのこと、事実関係の確認や原因究明、再発防止策の検討においても重要な役割を果たします。また、事故発生時の状況を詳細に記録することで、責任の所在を明確にし、適切な対応を取るための判断材料となります。

施設管理の効率化と職員の負担軽減

防犯カメラは、施設管理の効率化にも貢献します。広範囲な施設や複数の拠点を少人数で管理している場合、防犯カメラシステムを活用することで、現地に赴かなくても遠隔で状況を確認できます。これにより、巡回業務の負担を軽減し、人的リソースを他の重要な業務に振り分けることが可能になります。

2 - 公共施設への防犯カメラ導入の種類と特徴

公共施設への防犯カメラ導入の種類と特徴

公共施設と一口に言っても、その種類や用途は多岐にわたります。そのため、設置する防犯カメラも、それぞれの施設の特性や目的に応じて最適なものを選ぶ必要があります。ここでは代表的な設置場所に応じた防犯カメラの種類と特徴について解説します。

街頭や屋外施設向けの防犯カメラ

公園、駐車場、駐輪場、バス停、通学路といった屋外施設や街頭に設置される防犯カメラは、24時間365日、厳しい環境下での運用が求められます。そのため、防水・防塵性能(IP規格で示される)が高いことは必須条件です。また、夜間の監視能力も重要で、赤外線照射機能や高感度センサーを搭載し、暗闇でも鮮明な映像を撮影できる機種が選ばれます。
さらに、広範囲を監視する必要がある場合は、広角レンズを搭載したモデルや、PTZ(パン・チルト・ズーム)機能によりカメラの向きやズームを遠隔操作できるモデルが適しています。

※ PTZ(パン・チルト・ズーム)機能…Pan(パン/水平方向の動き)、Tilt(チルト/垂直方向の動き)、Zoom(ズーム/拡大・縮小)のそれぞれの頭文字をとったカメラの機能を表す略語

庁舎や公民館など屋内施設向けの防犯カメラ

庁舎、公民館、図書館、体育館といった屋内施設では、屋外ほどの防水・防塵性能は求められないものの、設置場所の美観を損ねないデザイン性や、威圧感を与えにくいドーム型カメラなどが選ばれる傾向にあります。廊下や出入り口、受付カウンター、重要書類保管室などが主な設置場所となります。
屋内施設では、より詳細な状況把握や人物特定が求められるため、高画質なカメラが選定されることが多いです。

3 - 公共施設向け防犯カメラの選び方のポイント

公共施設向け防犯カメラの選び方のポイント

公共施設に防犯カメラを導入する際、どのような点に注意して機種を選べばよいのでしょうか。設置目的や場所、予算などを考慮し、最適なカメラを選ぶための重要なポイントを解説します。

設置場所の環境に適した性能か

まず考慮すべきは、カメラを設置する場所の環境です。屋外であれば、雨風や気温の変化に耐えられる防水・防塵性能、耐候性が不可欠です。保護等級であるIPコードなどを確認しましょう。屋内であっても、設置場所の温度や湿度によっては、それらに対応した機種を選ぶ必要があります。
また、日中の太陽光が強く当たる場所や、逆に照明が少ない暗い場所など、照度環境も重要です。逆光補正機能や、低照度でもカラー撮影が可能な機能、赤外線暗視機能の有無などを確認し、設置場所の明るさに応じたカメラを選定します。

撮影範囲と画質は目的に合致しているか

防犯カメラで何を監視し、どのような情報を得たいのかによって、必要な撮影範囲(画角)と画質(解像度)が決まります。例えば、広範囲の状況を把握したい場合は広角レンズのカメラが適していますが、特定の場所をピンポイントで監視し、人物の顔や車両のナンバーを鮮明に記録したい場合は、望遠機能のあるカメラや高解像度のカメラが必要です。
一般的に、フルHD(約200万画素)以上の画質があれば、人物の特定にも有用とされています。しかし、高画質になるほどデータ量が増え、録画装置の容量やネットワーク帯域への負荷も大きくなるため、バランスを考慮することが重要です。

録画時間と保存容量は十分か

撮影した映像をどれくらいの期間保存しておく必要があるかによって、必要な録画装置のハードディスク容量が決まります。公共施設の場合、条例やガイドラインで映像の保存期間が定められていることがありますので、事前に確認が必要です。
録画時間は、画質、フレームレート(1秒間のコマ数)、カメラの台数によって大きく変動します。必要な保存期間とこれらの要素を考慮し、余裕を持った保存容量の録画装置を選定しましょう。

夜間や逆光に強い機能はあるか

夜間や暗い場所での監視には、赤外線LEDを照射して暗闇でも撮影を可能にする赤外線暗視機能が有効です。赤外線の照射距離も機種によって異なるため、監視したい範囲をカバーできるか確認しましょう。
また、出入り口付近など、明るい屋外と暗い屋内が混在する場所では、逆光で被写体が黒つぶれしてしまうことがあります。このような環境では、WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能やBLC(逆光補正)機能を搭載したカメラが有効です。

耐久性は確保されているか

特に屋外に設置する場合、防犯カメラの耐久性は非常に重要です。雨や風、砂埃、温度変化といった過酷な環境に長期間さらされるため、十分な防水・防塵性能が求められます。国際規格であるIPコードで示される保護等級を確認し、設置環境に適したものを選びましょう。

4 - 公共施設への防犯カメラ導入・運用の流れ

公共施設への防犯カメラ導入・運用の流れ

公共施設への防犯カメラ導入は、計画から設置、そして運用に至るまで、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、一般的な導入・運用の流れについて解説します。

設置場所と必要台数の調査・検討

導入目的に基づき、どこに、何台のカメラを設置する必要があるかを調査・検討します。施設の図面などを用いて、監視したいエリア、死角になりやすい場所、人の動線などを把握し、効果的な設置場所を特定します。専門業者に現地調査を依頼し、アドバイスを受けながら進めるのが一般的です。

機種選定と比較検討

設置場所の環境(屋内/屋外、明るさなど)や撮影したい範囲、必要な画質、録画期間などを考慮し、最適なカメラ機種を選定します。複数のメーカーや機種の性能、機能を比較検討し、予算とのバランスも考慮します。この段階で、複数の専門業者から提案と見積もりを取得し、比較検討することが重要です。

設置工事と設定作業

機種と業者が決定したら、設置工事に移ります。カメラ本体の取り付け、配線工事、録画装置やモニターの設置などが行われます。工事日程は、施設の利用状況などを考慮して調整します。工事完了後、カメラの画角調整や録画設定、ネットワーク設定など、システムが正常に動作するための設定作業が行われます。

運用テストと関係者への周知

設置と設定が完了したら、実際にシステムを運用する前にテストを行います。映像が正しく録画されているか、遠隔監視は可能か、各種機能は正常に動作するかなどを確認します。問題がなければ、施設の職員や関係者に対し、システムの操作方法や運用ルール、注意点などを周知徹底します。

定期的なメンテナンスと記録媒体の管理

防犯カメラシステムを長期間安定して運用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。レンズの清掃、機器の動作確認、消耗品の交換(ハードディスクなど)を計画的に実施します。また、録画データが適切に保存・管理されているか、保存期間を過ぎたデータが適切に消去されているかなど、記録媒体の管理も日常的に行う必要があります。

5 - まとめ

公共施設における防犯カメラの導入は、犯罪抑止、事件・事故発生時の証拠確保、そして施設利用者と職員の安全・安心感の向上に大きく貢献します。施設の特性や目的に合わせた適切な機種を選定した上で計画的に導入・運用することが重要です。
本記事で解説した選び方のポイント、導入の流れなどを参考に、それぞれの公共施設に最適な防犯カメラシステムを構築し、より安全で信頼される施設運営を実現してください。


編集:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム マーケティング担当(2025年7月)

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