東日本大震災の津波の影響で甚大な被害を受けた「南蒲生浄化センター」。
津波被害の教訓から緊急放送にも対応できる簡易無線と構内放送設備を組合せた
システムで復旧工事現場の『効率化・安全性向上』をサポート。
仙台市の約7割の下水処理を担う「南蒲生浄化センター」。1日も早い復旧を目指し、工事関係者の業務の効率化と安全性向上を実現するため、緊急放送にも対応した『業務放送システム』が導入されました。
導入の背景
平成27年度の完全復興を目指し、復旧工事をおこなっている「南蒲生浄化センター」。広大な復旧工事現場で働く作業員や重機操縦者など、最大で約1000名の工事関係者の「効率化・安全性向上」を最優先に考慮。
建物内外に設置したスピーカーへの業務連絡や広大な現場での作業員同士が連絡手段を図るために業務用連絡無線機の導入を検討。JVCの構内放送設備と、工事関係者の連絡手段としてKENWOOD業務連絡無線機の採用が決定しました。
導入ポイント
万一の災害発生時には、放送機器の音声ファイルユニットに予め登録された音声メッセージを『自動放送』できることが重要なポイント。『自動放送』により誘導者自らも避難行動ができます。また、普段は工事関係者の業務連絡用として活用している*『 携帯型無線機』から一斉放送も可能としました。
さらに、屋外スピーカー上の赤色回転灯により放送が届きにくいエリアにも目視で緊急事態を確認することができ「聴覚」と「視覚」の両方で状況確認ができることも導入のポイントとなりました。
また、バックアップ用無停電電源装置(UPS)の設置により停電時にも放送を可能としました。
導入システム
導入の効果
無線と館内放送を連動させたシステムで管理体制が強化出来ました。
今回導入した放送システムは携帯電話やメールとは違い、無線と構内放送設備は全員に一斉同報伝達が出来る事。さらに万一の災害発生時にもスピーディーに一斉放送ができることは大きなメリットと考えています。*
本システムの導入後、津波警報・注意報が発令される事がありましたが一斉放送を行ったところ工事関係者が約10分で予め指定された避難場所に避難できました。他県からの作業員も多く、入れ替わりも激しいことから、さらに作業員の増加も想定され、今以上に情報の確実な伝達、安全性向上の周知徹底を図って行きたいと考えています。
* 自動放送はキャリアモニター機能により送信されない場合があります。
USER'S PROFILE
昭和39年より稼動。水処理能力398,900m3(平成22年度末時点)。東日本大震災の影響で水処理施設は壊滅的な被害を受け、「地震津波に強い、環境に配慮した未来指向型の浄化センター」を復旧方針に平成27年度末を目標に復旧工事を進めている。現在では震災復興モデルケースとして注目を集めている。
免許人:フジタ・鴻池・丸本・後藤・皆成特定建設共同企業体
ご協力:株式会社フジタ 東北支店、地方共同法人 日本下水道事業団、株式会社ミヤツー