バッテリー搭載により停電時の通話も実現。ハンディ機により、キャンパス内を移動しての通話も可能。
「簡単操作で質の高い連絡手段」を確保。
高い防災意識と社会的役割のもと、大規模災害発生時に世田谷・町田・多摩の3キャンパス間の学園独自の連絡手段に、デジタル簡易無線による無線通信ソリューションを導入いただきました。簡単操作と停電時もバッテリーにより通話できるなど、災害リスクの少ない通信システムを低いランニングコストで確保しています。
導入の背景
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による東日本大震災がきっかけでした。震災直後、幸いにも各キャンパス間との連絡は、停電がなければ内線電話が専用回線で繋がる状況であり、学生全員の安否を確認することができましたし、被災地に救急隊を派遣することもできました。ただし、停電による混乱があったことと、専用線も使えなくなった時のリスクを考えると、停電しても確実に繋がる連絡手段を自前で確保しておくことの必要性を実感しました。
そこで、緊急時でも機能する自前の連絡手段確保の検討を始めました。
衛星電話やMCA無線なども検討しましたが、操作性や中継所などのリスクを考えると現実的ではありませんでした。その中で、従前より、キャンパスでのイベントや避難訓練などで有効に機能していた簡易無線での実用性を調査検討することにしました。
導入のポイント
導入にあたっては、J&Kビジネスソリューションさんの提案で、PCソフトシミュレーション結果に基づき実機による実地検証で実用性を確認できたことがポイントになりました。
実地検証には私どもの担当者が立ち会いましたが、クリアでノイズのない音声は想像以上に聞き取りやすいもので驚きでした。
導入したはいいが、実用にならなかったら意味がないという懸念がありましたが、実地検証で「これはいける!」と確信し、懸念は払拭されました。併せて、ハンディ無線機を備えることによって、キャンパス内との連絡に加え、校舎屋上に立つことで町田・多摩キャンパスとも連絡可能なバックアップになっています。
確実に使えることを確認しながらシステム仕様を詰めていくことができ、日程的な制約がある中で希望通り仕上げていただきました。設置工事・調整にあたっていただいた技術者の方々にも大変感謝しています。
最終的には、費用面、安定性など総合点数による判定で(JKPI)さんに更新を依頼することになりました。
導入の効果
国士舘では、お預かりしている学生さんと地域住民の方の安全を確保するため、防災には万全を期すよう力を入れています。特に世田谷キャンパスは、近隣地域行政と協力して、災害時には避難所としての役割を果たすとともに災害本部となるなどの社会的責任を担っています。
そのような中で、停電となった場合でも自前の連絡手段が確保できている安心感は大きいです。
また、無線で2キャンパス同時に伝わることによって、1回の送話で3キャンパスが同時に情報共有できるのもメリットです。
一方で、電話のような同時双方向の通話はできないデメリットがありますので、普段の連絡を通じて情報伝達と意思疎通に慣れておくことが欠かせません。毎月1回、全キャンパス合同で訓練も行い、定期的な動作確認を行うとともに、できるだけ多くの職員が無線連絡を体験するようにしています。幸い、操作は誰でもできるほど簡単なので戸惑いはないようです。
User's Profile
学校法人国士舘
国士舘大学として世田谷、町田、多摩に3キャンパスを有し、政経学部、体育学部をはじめ7学部と、大学院に10の研究科を設置。世田谷に9千名、町田、多摩それぞれに2千名を超える学生が在籍する。
現在までに12万余名の卒業生を社会の各界に送り出した本学は、2017年に創立100周年を迎える。
また、中学校、高等学校を設け、中高一貫教育にも力を注いでいる。
HPアドレス:https://www.kokushikan.ac.jp/index.html
所在地:東京都世田谷区世田谷4-28-1
取材日:2013年7月16日(火)
ご対応:常任理事 法人事務局長 山田様 総務部 総務課 課長補佐 鈴木様