インターネット中継実施に併せて、老朽化した機器を更新。
鮮明な映像とクリアな音声で視聴環境は改善、開かれた議会へ。

従来設備より保守点検を行ってきた本会議場のカメラやマイクなどのAV設備更新において、寿通信工業有限会社様のご尽力もあり、当社の議場システムを採用いただきました。
2014年12月定例会から本会議（定例会及び臨時会）のインターネット中継（ライブ・録画配信）を開始しています。導入いただいた背景とポイント、効果についてお話を伺いました。

導入の背景

米子市議会では、従来よりケーブルテレビによる議会中継を行っており、中継には録音とマイク操作を担当する事務局スタッフ1名に加え、カメラとテロップ操作にテレビクルー３名が対応していました。
しかしながら従来設備は、保守点検と部分的な補修・改修は行ってきたものの老朽化は進んでいました。録音はカセットデッキを使用していましたが、修理のための部品も製造が中止されており対応ができない状況でありました。また、音声に関しては、傍聴者やテレビ中継の視聴者から聞き取りにくいという声もありましたが、ハウリングが起こりやすかったため、対応も困難でした。
一方で、より市民により開かれた議会への取組の一つとしてインターネット中継の機運も高まる中、議会からインターネット中継実施が提起され、本会議のインターネット中継実施が決まりました。これにより老朽化した設備の更新費用も予算化され、競争入札（寿通信工業有限会社様落札）の結果、最終的にJVCケンウッド・公共産業システム【当時は J&Kビジネスソリューション、以下(JKPI)】のシステムを導入するに至りました。

導入のポイント

従来設備の保守点検は(JKPI)に実施いただいており、更新提案の中で、新しい議場システムをデモンストレーションいただく機会がありました。実機操作を体感することで、このシステムが直感的にわかりやすく、操作性に優れていることが実感できました。

導入の効果

2014年11月に引渡しを受けて12月の定例会から運用を開始しました。本会議での運用においてはやはり不安もありましたが、それまで4人で行っていた録音と中継映像作成を事務局スタッフ１名でこなすことができるようになりました。中継映像作成には、発言者の立ち位置に合わせたカメラの微調整が必要なことや技術的にある程度の慣れが必要でしたが、対応できています。従来カメラに比べると動作スピードが格段に違うので、むしろ驚いています。
音響では、議場内にスピーカーが左右の２本しかないことに心配もしましたが、全く問題ありませんでした。議場内のどこでも従来より明瞭に届くようになりました。２階の傍聴席には別に専用スピーカーが設置され、こちらも改善されました。また、これまで傍聴者は議員の後ろ側からの様子しか見ることができず、何をやっているかわからないなどのご意見をいただくこともありましたが、議場内の大型モニターで中継の様子を流すことにより、非常にわかりやすくなったと大変好評です。
さらに、執行部にとっても、執行部控室に設置した議会中継用モニターやインターネット中継により、議会の進行状況などを把握することができ、議会対応が円滑に行えるようになりました。

今後の取組

一方で、本会議で実際に運用してみて、見えてきた改善点もありました。マイクスイッチが入るとマイクが赤く光るようになっていますが、それを待ちきれずに発言されるとその部分の音声が拾えません。また、テロップに関してもう少しアレンジが利けばという部分がありました。
これらについては今後、運用面と設備面の両面から相談させていただきながら解決を図っていきたい課題です。